LINEいじめ

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「 LINEいじめ 」はなぜ起こる?LINEいじめの背景や対策は

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更新日

 
執筆:須賀 香穂里(ライター)
 
 
情報通信技術が急速に発達している現代、SNSを用いたネット上のコミュニケーションが一般化されてきています。
 
スマートフォンの普及に伴いメールに代わる連絡手段として確立されたアプリ「LINE」は、1:1だけでなく複数人が参加するグループを作り、無料でメッセージのやり取りを可能にしたものです。
 
素早く友だちと連絡が取り合えるシステムとして普及している「LINE」ですが、その利便性とは裏腹にこのアプリを用いたトラブルも多く発生しています。
いわゆる「 LINEいじめ 」がそう。
 
例えば、2013年8月には、熊本県熊本市の県立高1年の女子生徒(当時15歳)が自殺する事件が起きました。
これについて調査委員会は、女子生徒が同級生から「LINE」上でのいじめがあったとしています(毎日新聞)。この事件と同様な「LINE」を介したいじめは近年増加してきています。
 
 

LINEいじめ :ネットユーザーはどう思っている

 
ではこの「LINEいじめ」について、ネットユーザーはどんな意見をもっているのでしょうか?
 

Twitterでは

LINEと同様のSNSのひとつであるTwitterには、「LINEいじめ」が話題のひとつのカテゴリとしてハッシュタグがつけられています。
このハッシュタグを用いてTwitter内で「LINEいじめ」についてどのようなことが語られているか検索してみましょう。主なコメントは以下の通りです。
 
「俺の時代にLINEなんかなくて良かった。他人とのコミュニケーションをとることが容易になるだけ関係がこじれる原因が増える」
 
「文明が進化しても人のやることは一緒。もう言って無くせるものではないと認めて、発想の転換をすべきなのでは?」
 
「グループ内だけで会話ができることが仇になって、陰湿な言い方が横行したり、既読にならないからと仲間外れにしやすいのでは」
 
このように、第三者の立場から冷静に分析している発言も多いようです。
 
「『いじめる奴』も『いじめられる奴』も両方悪い」
 
「いじめする人は自分より立場低いって思ってる人にするんだろうけど、立場なんてみんな同等じゃないんすかね」
 
「いじめいじめと主張するけれど、不快に思う人がいたのならターゲットにも少なからず原因はある」
 
いじめる側といじめられる側、それぞれの立場によった意見を投稿している人も多くいました。
 
 

Yahoo知恵袋では

またYahooが運営する質問投稿サイト「Yahoo知恵袋」では、以下のような個人の見解のほか、LINEも関わるいじめの相談などが投稿されています。
 
「SNS系のいじめはリアル感がないので本人が気づかないうちにいじめにエスカレートしている場合も少なくないと思う」
 
「どこまでが「いじめ」でどこまでが「からかい」なのか、いじめの定義が曖昧でわからない」
 
 

LINEいじめに対する様々な考え方

このような多くの投稿を見てみると、「LINEいじめ」だけでなく「いじめ」に関する見解は人それぞれのようです。
いじめはともすれば人の命を奪うこともある、こころを傷つける行為ですが、いじめ問題とは完全に「どちらが正しい」と断定することのできないデリケートな問題で、さまざまな要因が複雑に絡み合って起きている事象であることが伺えます。
 
 

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「 LINEいじめ 」とは

 

文部科学省の定義

文部科学省は「『いじめ』とは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的苦痛を感じているもの(起こった場所は学校の内外を問わない)」としています。これに基づいて、「LINEいじめ」とはLINEを介したコミュニケーション上で、当該児童生徒が精神的苦痛を強いられることであるということができるでしょう。
 

期読、未読スル―がいじめを起こす

「LINEいじめ」に発展するきっかけの一つに、「既読スルー」という現象があげられます。
LINEには、自分が送信したメッセージを相手が読むと「既読」と表示され、メッセージが読まれたことがわかる機能があります。この「既読」をつけた状態でメッセージを返信しないのが「既読スルー」です。
 
相手が自分のメッセージを読んだかどうか一目でわかるという利点がありますが、その反面「既読スルー」が行われると、「なぜメッセージを見たのに返信しないのか」という不安感や不信感を煽ることになりいじめに発展するケースも多いのです。
 
また「既読スルー」とは逆に、メッセージを見ないまま長時間放置する「未読スルー」というものもあり、「携帯電話はいつでも持っているはずなのにこんなに長い間返信が来ないのはおかしい」と責められていじめに発展することもあります。
 
 
つまりメッセージを見ても見なくてもいじめに発展する可能性を拭うことはできないのです。結果、「LINEいじめ」に遭わないために、いつでも返信できるよう携帯電話を手放せず、自由な時間が取れない、睡眠不足になったという中高生の利用者も多くいます。
 
このような「スルー」だけでなく、返信を返したにもかかわらず「空気が読めていない」「馬鹿にしている」などと判断されたメッセージやスタンプ、送ったメッセージの真意が誤解されてしまうことがいじめのきっかけになることもあります。
 

LINEの閉鎖性がいじめを助長!

またLINEは通常のネット掲示板などのツールに対して、グループに招待された人、友達登録された人しか閲覧できないという閉鎖性を持っています。
閉鎖された空間でのやり取りは教師や親などの目につきにくく、ターゲットを孤立させやすいという面があります。これも「LINEいじめ」を助長する要因になっているようです。

 
 

「LINEいじめ」の実態は?

 

LINE利用者の増加に伴いLINEいじめは増加

ところで、このLINEを利用している人は国内にどれくらいいるのでしょうか。
2014年9月3日にリサーチバンクが実施した、iPhone、Androidなどスマートフォンユーザーを対象としたLINE利用状況に関する調査結果によると、LINEを利用しているスマートフォンユーザーは全体の71.7%に上ります。
 
もっとも利用率が高いのは10代女性で、その利用率はなんと93.8%です。またLINEの利用率は男女でも異なり、女性のほうが約6%利用率が高いことが分かっています(iPhone Mania)。
 
図1.性別・年代別LINE利用率
 
 
また同年9月に、青森県内の県立高校6高に通う1~2年生計1982人を対象に行われた弘前大ネット&いじめ問題研究会のアンケート調査では、LINEを利用している学生のうち16%が「LINE外し」などの何らかのトラブルを経験したことが分かりました。
 
このうち、「トークの書き込みで嫌な思いをした」と回答した利用者は10.1%、「LINE外しにあった」などいじめにつながるトラブルの経験があると答えたのは5.9%でした(河北新報ONLINE NEWS)。
 
 

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「 LINEいじめ 」のバリエーション

 
「LINEいじめ」と一口に言っても、行われるいじめの内容にはいくつか種類があります。
ここでは、全国webカウンセリング協議会に寄せられた相談事例からわかる5つの「LINEいじめ」の形態を紹介します。
 

「LINE外し」

LINEのグループに入れてもらえなかったり、強制退会させられてしまうことです。
学校で友人と会話がかみ合わず、不思議に思っていると自分が入っていない別のグループが存在していたという、最初から仲間外れにされるパターンと、何らかの発言をきっかけに退会させられるパターンがあるようです。
 

「既読無視・未読無視」

メッセージを見ているにも関わらず返信しない、あからさまに別の話題を出して無視をするなどがあげられます。
この場合、学校でも無視をされるなど、現実での被害も同時に行われていることもあります。また、「既読無視をしたから」という理由でいじめが始まるきっかけにもなります。
 

「悪質な画像の転載・公開」

従来のネットいじめと同様に、悪質な動画や画像をタイムライン上に流されることです。
男子生徒が同じ高校の女子生徒の顔写真と、女性の裸の写真を合成したものをLINEで公開してしまい、広まってしまったことから女子生徒が不登校になってしまったという事例があります。
 
このような画像公開によるいじめは、これらの画像や動画を見た第三者から報告が入り発覚するケースが多いようです。
しかし関西大学院大学准教授・鈴木謙介氏(2015)によれば、“最近では特定の友達の間でしか画像が見られないようにする傾向が強まっているため、本人が知らないうちに拡散されてしまう”ということもあります。
 

「LINE上での暴言・炎上」

LINE上でターゲットに対して「きもい」「しね」など暴言を吐いたり、特定の対象に対して批判が殺到することです。
ひとりが言い始めるとつられてみんなが言い出す、という連鎖によって中傷が行われます。
 
閉鎖されたグループ内で行われるので発覚しにくいようです。
しかし炎上は、必ずしも悪意を持って行われているとは限りません。“「面白いこと」を共有しようとLINE上に投稿したら、知らないうちに曲解されて誹謗中傷につながってしまったということもあるのです(同上・鈴木謙介,2015)。”
 

「LINE乗っ取り・なりすまし・IDの無断公開」

勝手にスマホを使用され、なりすまされる、LINEのIDを勝手に出会い系サイトに掲載されてしまうなどがあげられます。「誰かが私になりすまして恋人に卑猥な文章を送っていた」「LINEをやっていないはずなのに自分の名前で友達登録を求めている人がいる」など誰が行っているのか分からないことが多いようです。
 
 

大人のLINEいじめ

 
上記のようないじめは中学生、高校生など10代の間で多く行われていますが、学生だけでなく大人の間でもLINEを用いたいじめが行われています。
子供が学校でいじめを受けていた母親が「やめてほしい」とほかの母親に訴えるうちに孤立し、LINEなどでいじめを受けるようになり、自殺に追い込まれたという事例があります。「ママ友LINEいじめ」です。
 

ママ友LINEいじめとは?

「ママ友LINEいじめ」では、ただ無視をしたりグループから外したりするようないじめとは少し色の違ういじめも行われているようです。
例えば、フルタイムで働く母親が、日中のLINEのやり取りに参加できず、保育園のイベントの担当割り振りで面倒な作業をすべて押し付けられてしまう、といったものです(全国webカウンセリング協議会)。
 
このような事例は、無視や暴言など直接的ないじめに走りやすい学生に比べて大人に特有なものであると考えられます。
他にも、仲の悪い人が裏グループで「あの人は不倫をしている」「借金がある」などのデマを流している、といったようないじめもあります。悪口を言う、という点では学生が行ういじめと同様ですが、その内容は大人のほうが少々ディープなものになるようです。
 

職場でのLINEいじめとは?

 
業務としてルールを決めて使う分には効率アップにもつながるLINEグループですが、LINEの“ノリ”は人によって温度差があるため、時としてそれがトラブルへ発展してしまうこともあります。
 
たとえば、社長や上司の書き込みに対して深夜であっても『さすがです!!』『勉強になります!!』『ついていきます!!』といった書き込みをしているグループLINEの場合、書き込み数も多く、『自分も何か書かねば』とプレッシャーに感じる人もいるようです。
 
こうした書き込みへのプレッシャーが、パワハラにつながってしまうこともあります。
たとえば、上司が書き込みに反応しない部下に対して、「俺に賛同しろとは言わないが何か意見を書けよ」「おい、既読してるなら返事しろよ」と脅し、どう返事をしていいかわからずに悩んでいると「まったく協調性が無い」「何も意見を言わないような人間は俺の部下にいてほしくない」などと誹謗中傷する書き込みをはじめ、最後にはグループから外し、「反省したらグループに戻してやるよ」と個別にメッセージを送信したという事例がありました。結果的に部下はメンタル不全になってしまい、責任を問われた上司は地方に転勤し、降格の処分が下ったそうです。
 
参考 「LINEいじめ」が職場でも起こってしまう理由 | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準(外部サイト)
 
このように、もともと仕事熱心で真面目な人が、LINEでのやりとりによってヒートアップし、結果的にパワハラに発展する場合があるため、社内ツールとして利用する場合は、自分の個人的な“ノリ”を他人に強制することがないよう、十分に注意が必要です。
 
 

海外ではLINEいじめのような現象は起こらないのか?

 
このようなLINEなどSNSを用いたいじめは日本では多く見られますが、海外ではどうなのでしょうか。実は海外でもSNSによるいじめは深刻な問題になっています。
海外では、日本でのLINEのように10代に人気のSNS『Ask.fm』があります。
 
これは「あなたの好きな食べ物は?」といったシンプルな質問のやり取りを主とするSNSです。
しかしこのSNS上で、匿名ユーザーによる中傷を受けて自殺する若者が増えているのです。SNSなどを介したいじめは日本に限った問題ではないことが分かります(closet)。

 
 

「 LINEいじめ 」が行われるのはなぜか

 

いじめる側の心理

それではなぜ「LINEいじめ」のような現象が起こってしまうのでしょうか。
ここでは学級内での加害者側と被害者側、双方の立場に立ってその心理を分析してみたいと思います。まず加害者側の立場に立って考えてみましょう。いじめを行ってしまう人とは、どのような人なのでしょうか。
 
甲南大学講師・大西彩子氏(2015)によると、“いじめという行為を、「暴力をふるう・ものを隠す」など被害者に物理的攻撃を行う「直接的いじめ」、「無視・仲間外れ」など対人関係に危害を加える関係性攻撃を行う「関係性いじめ」に分類できます。”
 
「LINEいじめ」は「関係性いじめ」に該当すると考えられます。また“「関係性いじめ」を行う児童の友人関係は、「直接的いじめ」を行う児童のそれに比べ親密度が高く、友人に対して自己開示はあまり行わないが友人からは自己開示を引き出そうとする傾向があることが分かっています。”
 
「LINEいじめ」は友達同士のグループ内で行われるので、この特性に当てはまります。これを踏まえたうえで、加害者個人内でのいじめを行う心理について考えてみましょう。
 
同上・大西氏(2015)によれば、“「いじめに否定的な集団規範を個人が意識している傾向(いじめ否定規範意識)」を低く見積もっている児童ほど関係性いじめ加害傾向が高い”ことが分かっています。
すなわち、“「周囲はいじめに容認的である」ととらえている児童が、「やっても大丈夫」「やったほうが得だ」という利害構造に支えられていじめをエスカレートさせるのです。”
 
これを「LINEいじめ」に当てはめてみると、限られたグループ内で特定の対象に対していじめが行われる場合、「あいつは空気が読めないから無視したほうがいい」「グループ内の空気を悪くする奴は退会させよう」といったようにグループ内での利益を考えたうえで、それに同調する友人の存在に後押しされていじめに発展しているのではないかと考えられます。
 

承認欲求を満たそうという気持ちがいじめに繋がる

さらに、「無視したほうがよい」といったような考えを呼び起こす要因として、児童の承認欲求の強さが挙げられます。
 
デジタルアーツ株式会社経営企画部広報・コーポレートマーケティング課課長補佐・吉田明子氏(2015)によれば、“現代では両親の共働きや子供たちの習い事など、児童が一人で過ごす時間が多くなっており、家族や友人との関係性が希薄になっています。”
 
このことから家族関係、友人関係の希薄化は1980年代から指摘されている傾向です。
つまり、現代社会では大人も子どもも暖かい触れ合いをする体験が足りていないのではないかと考えられます。これは心理学では「私は人並みに周囲に大切にされている」という被受容感が従来よりも低い傾向があると考えられます。被受容感が乏しいと不安になりやすく、人からの拒絶や悪意に過敏で人に敵意を向けやすくなることが知られています(杉山、2014)。
 
“そこでLINEのような、常時他人とつながっていられるものがあると、そこでのコミュニケーションで「自分は認められている・大切にされている」という承認欲求や被受容感を無意識に満たそうとします。しかしそこで「既読スルー」のようにすぐに反応してもらえないと、相手に疑心暗鬼になり精神的に不安定になってしまうのではないでしょうか。”
 
また公立学校スクールカウンセラー・巽葉子(2015)によれば“思春期以降の児童にとって、友人関係は大きな比重を占めます。友達の考えや行動に大きく左右されることが増え、友達からの評価を気にするようになります。”
 
LINE上で仲のいい誰かが「あいつはうざい」などと発言すると、なんとなくそれに同調していじめる側に回ってしまうことがあるのには、このような思春期の自己意識の発達も要因として挙げられます。
 
 

いじめられる側の心理とは

それでは被害者側の立場に立つとどうでしょう。いじめられていると気が付いたとき、すぐに助けを求められる人はまれです。なぜ助けを求めることができず、いじめを長引かせてしまうのでしょうか。
 
東京学芸大学准教授・松尾直博氏(2015)によれば、“第三者から見るとそのグループから抜けたほうがよいと思われるときでも、本人はそれを望んでいない場合があるようです。”
 
 

ひとりぼっちになりたくない気持ちが…

なぜ、いじめられるにも関わらずグループを抜けられないのか。
「LINEいじめ」では“「ひとりぼっちになりたくない」という心情”が働いていえると考えられます。いじめに耐えきれず自主的にグループを抜けてしまった場合、自分からクラスメイトとのつながりを断ち切ることになります。
 
つまり、自分から「LINE外し」の状況に陥ってしまうのです。そうなるとクラス内で話題についていけない、などの現象が起こります。SNSというつながりを持っているのが当たり前になっている現代社会では、“たとえつらい状況下でもひとりぼっちになるよりは、いじめられてもみんなの中にいたいと思う子供もいるのです。”
 
 

LINEいじめが起こる背景とは?

 
ここまで、「LINEいじめ」について解説してきましたが、このような問題が起こってしまう背景には“急速に普及するスマホなどの技術に、情報モラル教育が追い付いていない”という現状があります(デジタルアーツ株式会社経営企画部広報・コーポレートマーケティング課課長補佐・吉田明子,2015)。
吉田氏(2015)によれば、“子どもたちがスマホを持ち、SNSでやり取りをするのが当たり前になっているにも関わらず、モラルを指導する大人は新しい技術に親しみがなく、知識が追い付かないためにモラル教育ができないのです。”「LINEいじめ」のような問題を減らしていくためには、今の時代にあった情報モラル教育を子供たちに施していく必要があると考えられます。
 
 

LINEいじめに対するアプローチ 情報モラル教育の実践

 
上記のようなLINEアプリユーザーの増加によるコミュニケーショントラブルに関して、神戸市立科学技術高等学校教諭・中野由章氏と、大阪私学教育情報化研究会役員・米田貴氏は2013年に「LINE外し」のロールプレイングをオフラインで行うことにより、いじめや人権等に対する意識を向上させることで、情報社会に参画する態度の育成を試みる研究を行っています。
 
文献によると、“研究は、ある高校の代表生徒5人に、全生徒の前でLINEを模倣したロールプレイングを行ってもらい、その内容を討議する形式で行われました。
いじめられ役、いじめ役、傍観者の役割を振り分け、いじめ役がいじめられ役をグループから退会させたり招待したりを繰り返す「LINE外し」の状況を再現して行ったのです。
 
そしてそれを見ている全生徒は、いじめられ役の気持ち、いじめ役の気持ち、自分が傍観者だったらどうするか、などをワークシートに自由に記述しました。
その結果、『じめられ役』の気持ちとしては、
 

  • 「嫌な気持ち」
  • 「悲しい」
  • 「不安」

 
などが多く、『いじめ役』の気持ちとしては
 

  • 「いじめられ役がうざい・きもい」
  • 「楽しい・面白い」

 
などの気持ちを味わっている生徒が多くいました。
 
またこのロールプレイで何が学べたかという問いについて、
 

  • 「SNSは便利な反面、危険性がある」
    「適切な活用を心掛ける」

 
など前向きな意見が多く、このロールプレイが目指した情報社会への参画態度の育成に対して期待通りの効果が期待できる”と報告されています。
 
このような試みが進む事により、情報モラルが正しく育成され、LINEいじめの解決に繋がる事を期待したいと思います。
 
 
【出典元】
●松尾直博(東京学芸大学准教授)(2015).いじめの中にいる子どもの心情 - 助けてと言えず、グループから抜けたくもない自分 児童心理
69(1), 41-45, 金子書房
●中野由章(神戸市立科学技術高等学校教諭)・米田貴(大阪私学教育情報化研究会役員)(2013)「LINE外し」ロールプレイングによる情報社会に参画する態度の育成 研究報告教育学習支援情報システム(CLE) 2013‐CLE-11(10), 1-9
●大西彩子(甲南大学講師)(2015).いじめの加害者の心理学 学級でいじめが起こるメカニズムの研究 pp.49-64, 株式会社ナカニシヤ出版
●杉山崇(神奈川大学教授)(2014).臨床心理学における自己 心理学評論57(3),434-448 京都大学心理学評論刊行会
●鈴木謙介(関西大学院大学准教授)(2015).「炎上」が起きるしくみと子どもの世界 児童心理 69(1), 91-95 金子書房
●巽葉子(公立学校スクールカウンセラー)(2015).友だちの評価を気にする・ 友達と自分を比較する 児童心理 69(3), 32-36 金子書房
●吉田明子(デジタルアーツ株式会社経営企画部広報・コーポレートマーケティング課課長補佐)(2015).スマートフォン(LINE)がもたらす新しいいじめ 児童心理 69(1), 96-101 金子書房
文部科学省
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全国webカウンセリング協議会
 
 
<執筆者プロフィール>
須賀 香穂里(すが かほり)
神奈川大学人間科学部・人間科学科所属。社会心理学や人間関係をテーマとした執筆活動を行っている
 
 

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